SCJM法とは
ソフトコアジョイントモビリゼーション(以下SCJMと略す)法とは関節運動学 (artheokinematics) に基づく治療法で、関節機能異常 (joint dysfunction) のある関節の関節包内運動を改善し、副次的放散痛を改善しようとする関節運動学的アプローチ法(AKA-博田法)から分かれた、関節の機能異常による関節のロッキングを直接外す技術です。
本邦における関節運動学的アプローチ理論は、元国立大阪南病院理学診療科医長の博田 節夫先生が考案されました。
原因不明の体の痛み(放散痛)やしびれなどの多くは、体の色々な関節がスムーズに動かなくなったとき(これを関節の機能異常といいます)に起こります。
SCJM法では、主に脊柱やその周囲(骨盤を含む)の関節(コアジョイントと命名)および四肢関節の機能異常を、関節運動学に基づき直接(極)微圧調整整復することにより、頭痛(筋緊張性頭痛)、頚部痛、顔面痛、体幹(腹側・背側部)痛、四肢 (肩・肘・手・指・股・膝・足・足指) 関節の様々な痛みを数秒で著減、消失させています。
博田先生のAKA原法では仙腸関節を手掌で操作し、全身にわたる多くの放散痛を治療しています。理論は高度な知識が要求され、技術も誰もが修得可能な技術と言いがたく、芸術的なセンスを必要としています。私は1979年よりMobilization、後にAKAを学ぶ過程で、関節放散痛(以下放散痛と略す)に対し臨床上多くの疑問を持ちました。
包内運動が改善したら、副次的に痛みが改善する。なぜなのか?
もともと関節機能異常は関節面の引っかかり状態を言い、関節機能異常があるときには結果として関節包内運動は表れません。
包内運動を改善すれば、痛みが副次的に改善されるのではなく、関節の引っ掛かりを外せば、関節が器質的に正常であれば、関節運動(包内運動)は改善されるのではないか?
関節の局所的引っ掛かりを外すのに、関節全体を動かす技術でよいのか?
AKAでは仙骨の第3・第4棘突起部に、母指弓・小指弓で力を加え関節を動かす操作を行うが、より関節の近くを指先で(極)微圧することでも機能異常が改善することを発見した。
本当に仙腸関節が全身の関節放散痛の9割におよぶ一次性原因なのか?
臨床を積む過程で上半身の関連痛を訴える症例では、仙腸関節の痛みが主観的にも客観的にも認められない症例が多くみられた。
本当に上位頚椎には関節機能異常が、起こらないのか?
後頭部から頭頂部顔面への放散痛が、環椎後頭関節機能異常で認められる症例を経験した。また顔面にも上位頸椎からの放散痛を認めた。
なぜAKA技術の習熟に時間がかかるのか?再現性と普遍性との整合性?
数百名の理学療法士が講習を受けて、1年後に技術として使用できるのは数名である。単に技術習得の優劣のせいなのか?再現性や普遍性を高めるためには、動く方向に動かすのではなく、明確な指標が必要なのではないか?
40年間AKAを臨床応用した結果、今回柔道整復師およびその他の医療関連職種のために関節運動学に基づき、関節機能異常を容易に手指操作によって直接"微圧整復"を可能にする触診法と治療技術を考案したので講習を行う。
SCJM法の定義
関節機能異常 (関節のロッキング)を運動学に基づき、"直接関節離解と微圧整復"をすることによりロッキングを外すことで、放散痛・関連痛(リンクペインと命名)を改善する。
関節構造や周辺軟部組織に異常がないと、副次的に関節包内運動は改善される。
SCJMを学びたい皆様へ
現医療で治療が困難な場合でも、様々な角度からのアプローチで改善へ向かわせることができることもあると思います。
あくまでもSCJM法はその一つの手段です。
私が40年掛けて培ったこのメソッドは、自信をもって皆様に新たな知識・技術としてお伝えすることができます。
新たな施術技術として多くの方に普及できるよう講習会も行っております。
奮ってご参加ください。
一緒に、新たな施術で多くの患者様を助ける存在になっていきましょう!